六義園の散策

 

2016109

 

東京都文京区・六義園。

庭園としての美しさは、ますます磨きがかかって。一言で見事な景観美を味合わせてくれる。
でも、だんだんとかってなじんできた六義園という感覚とずれを感じる昨今でもある。

何度来ても、同じ感覚でしか味わえない。
特定の庭園に係る方々のイメージを介して見せつけられているという感覚。

最近は、前はあったいくつもの意外性。それは貴重な小鳥であったり、蝶に出あってじっくりと、その行動を観察したり、
写真にとろうと追っかけてみたり、後で自宅で図鑑を引っ張り出して確認したり、同じ「虫仲間」の友人と意見交換を楽しんだりとか。

素晴らしい小花に感激したとか。虫に刺されたとか。
水面を舞い飛ぶ燕の大群、沢山の鴨、オシドリの優雅なダンスを堪能したりとか。

そういった生物多様性がもたらす多様な生き物との接点が、ほとんど消えてしまったことにも気が付く。

絶えず刺激的な生き物や自然環境が、季節ごとの潤いを与えてくれる素晴らしい自然の、生き生きとした野外劇場を殺しつつあるという風に考えてみると、恐ろしくなる。

生物多様性を損なう形での、箱物的感覚の庭園では困るという感覚に陥る。

同時に、水質が一言で言ってよくないまま放置されているのも気になる。典型的な「アオコ」が充満したままの水域でもある。

ただ、素晴らしい景観。季節ごとの名物の花々。ライトアップされたシダレザクラなどなど。

市民の六義園から、どのようは方向へこれから向かおうとするのかを一度冷静に見直ししてみる時期かもしれない。

都内にある多様な性格をもった庭園が、何となく感じることは一斉に六義園がたどった、庭園師達による庭園美を追及し始めていると感じる昨今でもある。

 
コメント
 池の水源は、井戸で、地下水を供給しています。濾過循環を取り込むと庭園の景観を崩す可能性があります。
 天水を期待して居るのでは?

〇荒尾稔  現状は天水+井戸水という事だと思います。
 しかしこれではこの水量だけでは不足していて、池全域での富栄養化から過栄養化に進みつつあると想定されます。
 循環をすると池面にヘドロが溜まり、それを干しあげてど泥底をさらうという行為が必要となります。

 もっと多くの地下水を供給すれば、もう少し良くなると思います。
 しかし、一方では地下水のくみ上げは、地盤沈下のもとと見なされているため、これ以上は規制がかかっていると思います。
 循環用に噴水など作ったら、せっかくの景観が台無しですし、濾過設備を地下に作るとしたら、これまた大変です。
〇荒尾稔 江戸時代のように用水からの供給でも無い限り、厳しいです。
 荒尾稔湧き水、井戸水の水源枯渇は、ここだけでなく都心部にある公園・庭園の多くが、
この原因で水道水施用天日干しという悪循環に陥いっているようです。
 でも、文京区千駄木地区にある須藤公園の如く、ありあまる地下水の力で、底泥もたまらず、
透明度抜群、生物多様性が高い箇所もあります。
 この観点から、井戸水のくみ上げ量アップが可能かを、行政にも打診してみます。
 上野不忍池は、地下水のアップにより、あふれでる水を下水局の許可を得て不忍池に放水している事例もあると聞いています。
 都内の地下水位は確実に上昇していると聞いています。


――――――――――――――――――――――――――――――――

2016109

 

東京都文京区・秋の六義園の風景。一年中で最も閑散として時期なのかも知れない。

花の少ない時期にあって、スイフヨウの大きな花とツツジの茶屋の風k理は良く似合う。

すでに、秋の北からの旅人。キンクロハジロが複数羽飛来していた。地付きのカルガモが30羽以上。
いつものアオサギも1羽。今日はやけにカラスが多い。湖面には群れをなしてアキアカネが舞い飛ぶ。
毎年秋の風物詩で、最近は文京区内では、幾つかの庭園でのみ見ることができる。

来館者も、それぞれ好みの場所で、静かにお茶を楽しみ。本を読みふける。

  

――――――――――――――――――――――――――――――――

2016年8月29日

 

六義園の苑内でひっそりと咲いている花々を取り上げました。今にも雨が降りそうな、ややひんやりした空気のなか。
8月末はどこでもこんなものだよと、いう声が聞こえてきそうな。ほんとに小さな花々が、あちこちに散在。

楽しみにしていた、サルスベリの大きめの樹も、まさに最後のあだ花か。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 2016年8月29日

・ 

東京都文京区六義園。妻と2人で散策。
入り口でA4のペーパを渡されそれを10問のうち7問回答があっていれば景品が、という話。
今回はそれに乗ってしまって、指定コース通りを歩くことに。日曜日といいながら雨模様で、入込客は少なかった。

花の季節でもなく、静かな道筋。
気が付いたら10問ともに回答をするということにこだわってしまって、
普段は上がらない山のてっぺんまで歩いてしまった。
でも屋上からの展望がしっとりとした曇り空を背景にとても良かった。

園内は、現在6人もの造園職人が入っていて、訪れるたびに景観までが変わってきている。
中央池の茶店の前にコイや鴨に餌を与えられた大きく張り出しが、消えていた。
かなりの規模の工事だったと思う、しかし、どう見てもそれが存在したという跡は片鱗も残っていない。
見事なものだ。
ここだけでなく、暗いほどの森のあちこちを中心にして、樹を切って取り除くことを含めて、
大規模な手入れの凄さは日本でも随一に近いと思われる。

あれだけうるさいほどいたカラス類が姿を消した。ヒヨドリも姿を見せない。

本駒込では、カラスもヒヨドリもほとんど見かけなくなってきているが、ここが本来種の供給元だったとしたら、
その欠落の結果かもしれないと、心でつぶやく。

セミだけはアブラゼミ、ミンミンゼミ、オーシンツクツクの3種が揃ってにぎやかだ。
でもここでもセミのヒックリかえった死骸があちこちに。
アゲハチョウ類は、アゲハが2、クロアゲハが1、アオスジアゲハが4.あとはヤマトシジミが1.何とも寂しくなった。

間違いなく、あれだけ豊富に感じられた優れた生物多様性の場が人工的な庭園風景の完成度が高まるほど
、劣化が生じるという感覚で見つめていくことになるだろうと覚悟をしている。

ところで、園内で出会ったお客さんがほぼ全員、このA4カードを持ち歩いていたのがとても印象的でした。
それがすべて結構な難題ばかりで簡単には答えられない内容。
もそもそと皆で意見交換をしたり、園内の案内人に張り付いて説明を聞きかじったり。

こんな見学もあるのだと思いながら、結果10問中7問の〇で合格でした。
妻は結構楽しかった模様で、これもありかなと思った次第。

大きなマグカップを2つもいただきました。感謝。

自動生成された代替テキスト: 
当 、 津 「 - ~ を ミ ... 人 
ン 第 を 大 
+ 5

 コメント

 懐かしいですね。滝野川に住んでいた頃には、時々行きました。
 庭や庭園は陰で支えるのが大変なんですよねぇ。その時に除草剤や殺虫剤が見えないように使われたりして・・・!!

 以前この時期に行って、蚊に刺されまくったので、少し寒いぐらいがいいね、と言っておりました。
○荒尾稔  季節ごとの移ろいが鮮明に感じ取れるありがたい場所です。
 緑に触れることができなくなったコンクリートばかりの今の住まいには、欠かせない憩いの場となってくれています。

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

  2016年6月27日

 ・ 

東京都・文京区六義園。6月25日、今の時期ここは紫陽花が盛りだ。
園内至る所に多様なアジサイ群落が鑑賞できる。
丁度今が満開。鎌倉などにあるような、お寺全体が紫陽花に囲まれてというような場所ではない。
それとなく園内を一回りすると、大きな株があちこちに散在していて、
帰り際にやはり今の時期は紫陽花だな、とつぶやきたくなるほど。
の、どちらかというとひっそりと配列された景観。

近在の住宅地のガーデニングの紫陽花はすでに盛りを過ぎているが、ここは違っていた。
苑内入り口の一株の朝顔も印象的であった。

自動生成された代替テキスト: 
当 第

 

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 2016年6月27日 ・ 

東京都・文京区六義園。今年初めてアキアカネ(赤とんぼ)の

大群を観察できた。
ここ数日のうちにここで羽化したアキアカネとも考えられる
が、多分ここから10kmも離れていない荒川の流域などで羽化したばかりのアキアカネの個体群と思う。
それが例年の如く山地に移動途中で、ここに舞い降りたものと思っている。
相当な群れで観察できてほっとしている。

同時に、この日、ここの園内ではコシアキトンボを1匹見ただけでシオカラトンボ、イトトンボなどを一切観察できなかったことも事実だ。
それよりもアゲハチョウ類を一切観察できない。改めてびっくりした。

それだけではない、この時期、数年前まであれだけたくさん飛翔していた燕を一切見れなかった。
シジュウカラの声も聞けなかった。スズメとすこしのムクドリ以外は声も姿もなし。
水面には毎年見ていたカイツブリも姿がない。

かっては老木が繁茂して薄暗かった時代には、ヤブッカに悩まされた時代もあった。…

 しかし、その時代には六義園は今から考えると、生物多様性はとても豊かで、
その代表例が都内でも貴重なオシドリ群が越冬してもいた。今は全く姿を見せてくれない。

 間違いなく、ここでもこの春は蝶類の激減に代表されるように際立って昆虫類が一斉に姿を消し、
それを捕食する小鳥が減り、次は

昆虫類による受粉に依存する草類等が漸減していく、ような事態に陥りつつあるとも考えられる。

 

画像に含まれている可能性があるもの:植物、屋外、自然、水

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 2016年5月8日

 ・ 

妻と2人。六義園へ何ヶ月振りかで出掛けた。
樹齢70年程度のシダレ桜。桜もツツジも終わり、新緑だけが見事なこの時期。2人とも最も大好きな時期だ。
参観者の少なく、特に今日のような強い日差しと深い木漏れ日に彩られた散策路も好ましい。
静かでゆったりとした、ぜいたくな時間が流れる。ここもこの50年間で何度入園したことか。
足元にキジバトが、そしてこの春巣立ちしたばかりのムクドリの小さな群れ。
あちこちでシジュウガラの鳴き声がこだまするだけ。日陰にあるベンチにじっと座って沈黙を楽しむ。

コジュケイが突然飛び出していった。姿を見たのは何年振りか。

ドキドキした。

それにしても、ここまでしっかりと手入れされた六義園は、それなりに日本で最優秀の庭園だろうと思う。
かって20年ほど前までは入場料が無料であったが、それはそれは、一言で言って荒れ果てた感じが付いて回っていた。
前石原知事が都知事になって、都内の庭園に関してもそれぞれに有償化と競争原理の導入以降の劇的な変化は目を見張ったものだ。
樹木が老木化して園路が薄暗く、千羽を超すカラスのねぐらができて、その下では糞を避けて頭に本を載せて駆け抜けていた時代もあった。

それからは、造園技術者の頑張りがドンドン感じ取れるような段階的な改造が連綿と始まった。
その成果にはほんと頭が下がり、日本の匠の真の力を感じさせてくれていると、継続的な流れを見ながら感じ入っている。

いまは、最高に管理が行き届いて,そこもかしこも庭園としての模範的な最高の手入れがなされていて、素晴らしいの一言。

でも、生物多様性という観点で見直してみると以下になる。

ここに定着していた、オシドリ(最大10羽)がたちまち消えた。
池の縁に老木が複数あって昼間でも薄暗く、人の立ち入れない箇所だからこそのオシドリのねぐらが、
その老木数品をあっという間に切り倒し、人が立ち入れる明るい場に変えてしまったこと。安全な場を見失ってオシドリは立ち去ったと思う。

総じて雑草類と思われる植物が大きく減ったことも影響してか、たくさん見られた多様な昆虫類、特に鱗翅目の蝶類が激減した。

本日も、最も広い開けた空間で、今までも最も多くの蝶の観察箇所で1時間ほど粘ってみたが、20年前の1/10程度の蝶の種類と個体数と思った。

本日2時間30分の散策で観察できたのは、

ナミアゲハ 2、アオスジアゲハ 3、クロアゲハ 2、コミスジ 3、だけであった。
広い園内をほぼくまなく回って、この数字とはいかに。

何よりもモンシロチョウやヤマトシジミなどが観察できなかった。セセリチョウ類も、タテハチョウ類もゼロ。

この貧弱な数値が何を物語っているのか。

これは、この六義園だけの問題ではなく、この5月の連休中に、定点観察で不定期的に各地を実際に回って、
それなりに多様な箇所のフイールドを蝶の種類と個体数カウントなどから観察してきた立場からいうと、ここもそうかとなる。

ささやかな調査だとは思うが、なにか生物多様性上で恐ろしいことが背景で生じているのでないかという、
恐れを擁いている中で、これもひとつの傍証になるのではないかと考えている。

それは何か、レーチエル・カーソンの著作「沈黙の春」の現実化。

と同時に新たな農薬などの深刻で複合的な影響の、その具体的な結果がいよいよ全面的に見えだしてきている
のではないかという疑惑が感じられる。

自動生成された代替テキスト:

 コメント
 人の手が入った環境が良いのか、放置した方が良いのか、随分と悩ましいなと思いながら読ませていただきました。
 人にとって手つかずの自然は脅威で或ることが多いと思っております。
 程々に、自然が許してくれる程度に手を加えて行く、それが良いとは思うのですが、どこまで許されるのか?難しい問題だと考えました。

○荒尾稔  たしかに。日本o造園技術は自然環境への配慮が結構あって、生物多様性ともほどほどのやさしさが感じ取れていると思っています。
 いま改めて、ネオニコチノイド系統の殺菌剤が、何の心配もなく無条件に使われだし、それが造園関連でも多用されだしてる傾向と無関係ではないと考えています。
 そのあたりをささやかながらフイールドから現実として見つめ直しを行っていきます。

―――――――――――――――――――――――――――――――― 

 2016年5月8日

・ 

六義園でも、春の花々の時期はすでに過ぎて、新緑の生える最も森自体の奥深い美しさに出あえる時期になりました。
庭園の池とのコンビネーションが、特に遠方から池越しに見る木々の、それぞれの味わいを満喫できる、今が最高の時期と思っています。

草木も、派手な美しさも素晴らしいが、可憐な小花の集団美も見どころがありました。

自動生成された代替テキスト: 
′ ト 当 
《 、 い 、 当 を 
第 、 
、 号 」 当 」 を

 

 コメント
○荒尾稔  改めて園内の樹木の手入れのレベルの高さを感じています。

● 荒尾さま、当地の高知城公園でも、手の入れ過ぎで、見た目は綺麗になっていますが、野鳥は減っています。
 そこで、管理事務所あてに、管理のゾーン分けをするように申し入れています。
 通常の管理ゾーンと環境保全ゾーンです。環境保全ゾーンでは、管理の手抜きをしてもらうよう、お願いしています。


――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 2016年5月8日

 

東京・文京区・六義園の入り口を入ってすぐにあるシダレ桜の前の広場では、江戸時代の文化を野外で
実演を行う催しが開催されていました。

すっかり六義園名物として定着しています。

本日は、江戸大神楽でした。

自動生成された代替テキスト: 
当 〈 ト 
斗

  

コメント
 伊勢のおかげ横丁のようですね。

○荒尾稔  土日、休日などに出掛けると園内では、毎回出演グループが変わり、出し物も異なります。
それにつられることも。

 ここのシダレザクラは、50年ほど前はひょろひょろの若木でした。
立派になりました。毎年時期になると10日間で20万人以上とのうわさ。
夜もライトアップで超満員となります。