第2分科会 野外体験

第1分科会 里山と水田・稲作分科会との共催

2005年テーマ

第2回里山フェスティバル「里山シンポジウム」

分科会テーマ:谷津田・里山における生物多様性の体験



4月23日に、茂原農業高校で開催されたシンポジウムに次いで、5月1日に野外体験として、千葉市大和田に於いて、生物・ビオトープ分科会、里山と水田・稲作分科会との共催による、「谷津田・里山に於ける生物多様性の体験」が開催されました。
 魅力的な野外体験としての場であり、また、毎月のここでの定例の集会と一緒という事もあって80名ほどが集まり大盛況でした。

 午前中は4班に分かれて、それぞれのリーダーの元、下大和田の谷津田を観察して歩きました。水田・稲作分科会会長の茂原農業高校の渡邉英二先生も、部活動の生徒5人と共に参加され、「田んぼの生き物調査」を実際に行い、「調査」方法を中心に、参加者に熱心に指導も行っていました。

 その後、午後からは谷津田にある広場で、昼食後、子ども達の主導で、大人も子どもも区別なく一緒に色々なゲームを楽しみました。
 子ども達もたくさん参加し、自立ししっかりとした活動振りをみていると、里山や谷津田での遊び方、楽しさを十分に経験しきった、里山で遊んでいた腕白で天衣無縫な昔の子ども達の姿がそのままに復活したかの様です。

 茂原農業高校大ホールで開催されたシンポジウムでは、農業を真から楽しまれている新海秀次さんや、岡部弘安さんなどのお百姓の生活や、茂原農業高校での高校生の方々の楽しそうな方々の話しを聞くことが出来ました。

 次いで、千葉県での貴重な里山・谷津田での多様な体験は、良い勉強になり、色々な皆様に出会え、すばらしさが十分味わえました。

 この場所は、地元の土地区画整理準備組合の方々のご理解を得て、10年ほど前から観察会やごみひろい、5年前からは米づくりなどをおこなっています。谷津田の自然や農業、生活・文化に対する理解を深めたり、環境学習の場として、また子どもたちの遊び場として生かしていきたいと田中正彦さん、高山邦明さん、網代春男さん、福満美代子さん、小西由希子さん等のメンバー達の、普段の努力の成果だと頭が下がりました。また、渡邉英二さんもここに5ヶ年も通って学習したのだとの話しを聞くに連れ、田中、小西両氏からの「里山と子ども」という、課題を提案いただいた骨子が良く理解出来たつもりです。

 この下大和田の谷津田こそが、現在の千葉県で最も里山保全等でアクティブな方々にとっての里山原体験の場(フイールド)であることが良く理解できました。

 
 同時に、これからの課題として感じたことは

 谷津田での、系統的な生き物調査による、データの集積をさらにさらにすす  めていく事

 ここの谷津田での整備結果と、未整備の周辺域での荒廃振りを見ていると、今までの成果を踏まえ、この地域でのこれからをどのように展開をしていくのか企業側や行政やマネジメントレベルも含め、本格的に検討する時期が来ているのではないかなと感じ取りました。

 子ども達のさらなる参加者を求め、また、ここの谷津田で育った子ども達がどのような過程を経て、それぞれが人として、社会を担っていける人間に育っていくのかを見極めていいくこと等も課題になるのでしょうか


 それらを含め、農業や生物多様性、さらに景観保全等を含めて、これからの貴重な里山や谷津田での新たな自然再生への道筋を、私どもに教えてくれている場だなと、強く感じました。